何故僕がトロントに住んでみたかったか。それは以前、ある飛行機の中で読んだ機内誌のトロントの特集記事で興味を持ったからです。そこには“ユネスコが認める世界一、人種の多い街”と書かれていました。 それまで自分はカナダ人がどんな顔をしているのか、カナダはどういう国なのか考えたことがありませんでした。カナダは昔から移民をたくさん受け入れてきたエスニック・カントリーなのです。その記事を読み終える頃には、それまで知らなかったトロントにすっかり魅了されていました。幾つものエスニック・コミュニティーが独自の文化を守りつつ共存してゆく街...。

 実際、1年間トロントで生活してみて一番パワーを感じたのはパレードやフェスティバルなどのイベントの開催です。ほとんどのイベントは街や地域全体が一つとなって繰り広げられます。時には一番大きなメインストリートが閉鎖されての大イベントになります。時間のある限り数多くのイベントを見てきましたが、日本では味わえないものばかりです。 国際映画祭、ジャズ・フェスティバル、ゲイ・パレード、カリバナ・ダンス・フェスティバル、エアショー、ミュージック・フェスティバル、ハロウィーン、クリスマス・パレードなどなど。 もし1ヵ月位トロントに滞在できれば日本では味わえない何らかの大きなイベントに巡り会えることは確かです。

 舞台を観るのが好きな人にはミュージカルをオススメします。トロントはロンドンのウェストエンドやニューヨークのブロードウェイに次ぐ、第3の演劇都市で、しばしばブロードウェイのトライアウト(試演)が行われています。トロントでのトライアウトが成功すればブロードウェイに持っていくという仕組になっているようです。トロントでの「オペラ座の怪人」はちょうど10周年で幕を閉じましたが、最後のファントム役を務めたのがKISSのボーカル、ポール・スタンレーで、とても話題になりました。劇場自体もゆとりがあって豪華で、日本とは違う雰囲気が味わえると思います。

 スポーツ観戦が好きな人にはホッケーならメイプルリーフ、野球ならブルージェイズ、バスケットボールならラプターズという様にホームグラウンドでの観衆と合わせて楽しむことができます。野球場は天井が開閉するスカイドーム。ホッケー、バスケットならエア・カナダ・センターと超一流のスタジアムでの観戦が可能です。

 そして、トロント最大の魅力の一つは先にも書いたとおり、エスニック・コミュニティー巡りにあると思います。ほとんどのコミュニティーに地下鉄もしくはバス、ストリートカーでアクセスできます。朝起きてポーリッシュタウンでコーヒーを飲み、昼はチャイナタウンで飲茶を楽しむ。リトルイタリーでジェラートを食べ、グリークタウンでスブラキ・ディナーに舌づつみを打ち、コリアンタウンでカラオケ。そして、ラテン系のクラブで踊まくる!なんて一日も楽しめます。まるで世界一周をしている様です。もちろん、ダウンタウンでもいろんな国々の人の顔を見ることができます。いろんな国の言語を耳にすれば「ここはどこなんだろう?」という気分にもなれます。(^^)

 よく「トロントには見るものがない」という人がいますが、それはみんなが「見ていない」だけだと思います。トロントを訪れて、トロントが好きになった時、自分が「モザイク都市・トロント」の一片になったことを感じることができるでしょう。

写真=レントしていた家の大家さんと一緒に。



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