結婚5年目。そろそろ子供が欲しいなと思っていましたが、いざ妊娠が現実になると「んーカナダで出産か...」とちょっと不安になり、同時に日本でよく言われている「ホテルの様な豪華な産婦人科」を体験できないんだなぁ、と変なところでがっかりしてみたり...。今振り返ってみると、長かった様で短かった妊娠9ヵ月間。時々目眩や頭痛に悩まされもしましたが、思っていたほどつわりなどもなく、どちらかと言えば快適な妊娠生活が送れたと思います。また、出産は想像を絶する大変さだと経験者から聞いていたので、内心恐れていたのですが、午前1時に病院に入り、出産したのが午前6時40分頃。力んだのは約20分と、初産のわりにはとても楽なものでした。「これなら軽く10人は産める」と分娩台の上で密かに思ったほどでした。(笑) しかし、実際子育ては産むより簡単ではなく、今は子育てに奮闘している毎日です。 以下は妊娠、出産までのMy baby story in Torontoです。

・病院・
 カナダの医療システムは日本に比べかなり細かく分業化されておりそれは出産に関しても例外ではありません。妊娠したかなと思ったらまずかかりつけのホームドクターに行き、血液検査を受け妊娠と判断されるとホームドクターから産婦人科医を紹介してもらいます。この時、自分が出産したい病院があればホームドクターはその病院に所属する産婦人科医を紹介してくれ、もし、特別な希望がなければ自宅に一番近い病院を紹介してくれるのが一般的です。私の場合はSt. Joseph's Hospitalの近くに住んでいるので、そこに所属する医師のクリニックへ通院しました。妊娠中何か検査が必要なときや、病院で行われるPrenatal Classを受講するのが便利なので、私は自宅から近い病院をオススメしめす。それに、病院が近いと陣痛がはじまってもあせらずに安心です。

・妊娠中・
 はじめて産婦人科医に行く時は御主人にも一緒についてきてもらうといいですよ。診察前に医師から病歴などの質問をされたり、またこちらの質問にも答えてくれます。St. Joseph's Hospitalでは妊婦一人一人に対してコンサルテーションを行っており、看護婦が妊娠に関することはもちろん、不安な妊婦を安心させてくれるような心のサポートまでしてくれ私はとても満足しました(ここで働いている看護婦達はとても優秀)。このコンサルテーションで妊娠中に受講できるPrenatal Classについて、出産後のサポートサービス、サポートグループなどのインフォメーションをもらうことができます。私は夫と一緒にPrenatal Classを受講しました。ほとんどの病院でこの種のクラスがあるようなので、はじめての妊娠なら、やはり受講するのがいいでしょう。赤ちゃんが生まれた後、お風呂の入れ方や母乳のあげかたなどの指導はほとんどないに等しいので、ある程度知識をつけておくべきだと思います。また、病院内のツアーもあるので、どういうところで自分が出産するのか前もって見ることができます。ちなみに、St. Joseph's Hospitalは非常に古いため、部屋も狭いし、決して奇麗とはいいがたいけれど、看護婦をはじめとするスタッフはとても親切でした。 妊娠中1度、または2度ウルトラサウンド(超音波)で胎児を見る事ができます。これは担当の産婦人科医が行うのではなく、ウルトラサウンド専門のクリニックに行きます。妊娠中に読んでとても役に立った本は「What to expect when you're expecting」という本で、これは月ごとに項目が分かれており、今、胎児がどのくらい成長しているのか、妊婦の質問に対する答え、 そして妊娠中のエクササイズなどが掲載されています。

・陣痛/出産・
 色々な本を読んだり、人から話を聞いたりしても、陣痛と言うのはどういう痛さで、どのくらい痛いのかはやはり、経験してみないとわからないものです。私の場合、朝から腰ににぶい痛みが時々あったのですが、陣痛はお腹が痛くなるものだと思い込んでいたので、これがまさか陣痛初期とは思ってもみず、その日は1日中買い物などして歩き回っていました。夕方になり、腰の痛みもすこしづつ強くなってきたけれど、「いやいや本物の陣痛はテレビや映画の中でみるようにう〜となるくらい痛いんだ、こんななまやさしいものではない!」と思っていたので、全く本気にしていませんでした。しかし、さすがにだんだん痛みが強くなり、間隔もせまくなってきているようで、この時点でやっと、もしかしたら陣痛?と認識した次第です。ここカナダでは陣痛がはじまっても間隔が5分〜10分おきくらいになるまで、家にいるように言われます。あまり早く行くと追い返される事もあるので、注意しましょう。カナダではせき髄痲酔(エピデュラル)を使った無痛分娩が一般的ですが、私は陣痛がひどくなってきたとき、デュモラルという痛み止めをすすめられ、これをお尻に注射してもらいました。これは痛みを完全にとることはできないけれども、痛みをやわらげてくれるので、すこしリラックスでき、体力消耗を防げます。その後痛み止めの効力が切れてしまったときに、痲酔をお願いしましたが、タイミングが遅すぎて打ってもらえませんでした。ある時期を逃すと、麻酔を打ってもらえなくなるので、始めから無痛分娩を望む人はそのむねを医師に伝えておくほうがよいでしょう。反対に絶対に痲酔や痛み止めを使いたくない人も事前に自分の意向を医師に伝えておくことをおすすめします。
 冒頭でも書いたように医療システムが分業化されているので、自分の産婦人科医が必ずしも赤ちゃんを取り上げてくれるわけではありません。産婦人科医は妊娠中だけ担当し出産は全く別の医師によって行われることもあります。私の産婦人科医は妊娠から出産まで行える医師でしたが、私の出産時に他の医師が当直だったため、別の医師により出産しました。また、病院内ではガウンをもらえますが、後ろに紐がついているだけで、背中がまるみえになるので、少し長めのTシャツなどを持っていくことをオススメします。

・産後・
 普通分娩でなにも問題がなければ1日または2日で退院させられてしまいます。退院した後、数日中に看護婦が自宅に来て、赤ちゃんと母親の状態を見てくれます。通常は一回の訪問ですが、気掛かりなことがあれば電話すると来てくれます。私は赤ちゃんがちゃんとおっぱいを飲んでいるか不安だったので相談すると、ラクテーショナルコンサルタントと呼ばれるエキスパートを連れてきてくれました。またわからないことがあれば電話で相談でき、このシステムは非常に役立ちました。私はこのサポートシステムを赤ちゃんがある程度大きくなってからでも利用しました。赤ちゃんが5、6ヵ月の時、離乳食をどれくらいあげればいいか、目安がほしかったので、相談するとファクスで情報を送ってきてくれたりしました。赤ちゃんが生まれてから役にたった本は前述の本の続編で「What to expect the first year」です。これも月ごとに項目が分かれていて、赤ちゃんの成長の目安、病気、尿、便の心配、基本的な生活のしつけについてなどが網羅されていて、なにもわからない新米ママの私にとってバイブルのような存在でした。

 最後に一番大切なのは、やはり旦那様の理解と協力です。産後はホルモンの関係で精神状態が不安定になりがちなので、旦那様はどうぞやさしく接してあげてください。

写真=産まれたばかりの時、病院にて看護婦さんがケア。



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