Aug. 26, 2003 トロント国際映画祭、日本映画完全リスト

今年で28回目で9月4日から13日まで開催されるToronto International Film Festivalのスケジュールが発表された。追加日本関係の映画としては下記のリストには紹介してないが、オーストラリア映画で綱島郷太郎主演の「ジャパニーズ・ストーリー」やタイ、イギリス、日本合作の「The Tesseract」、台湾映画でKiyonobu Mitamuraという日本人が出演している「Bu Jian Bu San」などもある。チケット購入方法は、今からだとシングルチケットまたは当日各映画館にならんで購入のどれか。シングルチケット(14.50ドル)については9月3日限りの発売。すでにこの時点で7月に先行チケット買っている人が購入済みによりSold outの映画もあるので、ご了承を。必ずBox Office(午前9時から午後7時だが、午前9時にはすでに長蛇の列)に買いに行くこと。このチャンスも逃したという人は当日にラッシュチケットと言って、映画館に行ってチケットがあまっていたら購入できる可能性がある。チケットが完売の場合のこのラッシュチケットは劇場でならんで待つと席が空いている限り入れてくれる。人気の映画はもう並んでも入れないことがあるが、結構みんな当日ならんでも見れているよう。

Box Office:College Park, Market Level, 444 Yonge St. (地下鉄College駅のモールの中Yonge側の南)

<日本映画のご紹介>

●「Antenna/アンテナ」
日本公開2004年春公開予定
監督:熊切和嘉
出演:加瀬亮、小林明実ほか
解説:ネットコラムニストの田口ランディさん原作のベストセラー小説の映画化。妹が15年前に失跡したトラウマを抱えて生きる青年が、知り合ったSMクラブの女王様によって心を解放していく異色の人間ドラマ。
9月9日(火)午後9時
Cumberland 3 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)
9月13日(土)午前9時半
Isabel Bader Theatre (93 Charles St. W./地下鉄Museum)

「Ramblers/リアリズムの宿」
2003年/1時間23分 (日本公開2004年)
監督:山下敦弘
出演:長塚圭史、山本浩司、尾野真千子、石川真希ほか
解説:つげ義春原作漫画「リアリズムの宿」の映画化。監督は「どんてん生活」で期待の新人と世界でも高い評価を受けた山下敦弘。
9月10日(水)午後10時
Varsity 3 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)
9月12日(金)午後3時半
Varsity 4または5 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

「Shara/沙羅双樹」
2003年/1時間39分(日本公開2003年7月)
監督・脚本:河瀬直美
音楽:UA
出演:福永幸平、兵頭祐香、生瀬勝久、樋口可南子ほか
解説:奈良に暮らす麻生家は代々の墨職人。ある夏の日麻生家の双子の兄弟の圭と俊が遊んでいると圭が行方不明となる。その後5年後17歳になった俊はトラウマを抱えたまた幼馴染み夕に恋い心を抱く。地元のバサラ祭の準備が忙しくなる頃、警察が圭が見つかったと告げに来る。『萌の朱雀』(1997年)で、カンヌ映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞する鮮烈なデビューを飾り、続く『火垂(ほたる)』(2000年)では生と死の物語を四季を通じて織りあげた河瀬直美監督が、三たび故郷の奈良を舞台に描く最新作『沙羅双樹(しゃらそうじゅ)』。
9月7日(日)午後9時45分
Varsity 3 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)
9月10日(水)午後12時15分
Varsity 1 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

「Vibrator/ヴァイブレータ」
2003年/1時間35分(日本公開2003年秋)
監督:廣木隆一
脚本:荒井晴彦
出演:寺島しのぶ、大森南朋
解説:女性の心身症の回復を描いた作品。
9月10日(水)午後6時15分
Cumberland 2 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)
9月12日(金)午後2時45分
Cumberland 2 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)

「Ikiru/生きる」
1952年/1時間23分
監督:黒沢明
脚本:黒澤明、橋本忍、小国英雄
出演:志村喬、伊藤雄之助、小田切みき ほか
1954年ベルリン国際映画祭(ドイツ上院陪審賞)
解説:定年間近い公務員の課長渡辺は毎日ハンコを押す単調な仕事を30年続けて来た。しかし、彼が胃ガンであと余命が少しと知り「生きる」ことに気付く。人生とは何かを問う素晴らしい黒沢監督黄金時代の傑作作品の一つ。これはTC管理人も大変好きな日本映画の一つ。ほんとに素晴らしい作品。見てない人はぜひこの機会に見てほしいし、ハリウッドでリメーク版の話もある。
9月11日(木)午後3時15分
Cumberland 2 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)

「Zatoichi/座頭市」
2003年/1時間55分 R-15指定(2003年9月6日日本公開)
監督・脚本・編集:北野武
出演:北野武、浅野忠信、柄本明、夏川結衣ほか
解説:2003年第60回ベネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品でもある、北野武の話題の最新作「座頭市」がトロントでも出品。彼の演技も見物。
9月6日(土)午後2時半
VISA Screening Room (189 Yonge St./地下鉄Queen駅)
9月13日(土)午後4時45分
Cumberland 1 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)

「Gozu/牛頭」
2003年/1時間09分(2003年7月11日よりDVD発売のVシネマ)
監督:三池崇史
出演:曽根秀樹、哀川翔、吉野公佳、火野正平、加藤雅也、丹波哲朗ほか
解説:ヤクザホラー映画。独自の解釈を許容する作品の奥深さは批評家からも注目を浴びつづけている三池崇史監督の最新作。監督の作品を見たマリリン・マンソンを会いたいといいしめたことから、どんな独創的な作品を作りあげる人が分るだろう。ストーリーはとにかくヤクザにホラー。(^^;) 公式サイトでチェックしてくれ。
9月11日(木)午後11時59分
Uptown 1 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月12日(金)午後5時45分
Varsity 1 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

「The Grudge/呪怨」
2002年/1時間32分(2003年1月日本公開)
監督:清水崇
出演:奥菜恵、伊東美咲、上原美佐、市川由衣
解説:このホラー映画は日本のホラー映画史上一番恐いとされ、恐怖の連鎖を日本中に引き起こした有名作品。すでに8月末に日本ではパート2が公開され、ハリウッドがリメーク版を製作中という話題の作品。老人介護のボランティアで郊外の一軒家を訪れた女子大生が見た淀んだ黒い影、屋根裏でうごめく女の霊、振り返ると立っている白い顔の子供…、やがてそれらは関係する者を次々と戦慄で凍らせ、底なしの暗黒世界へと引き摺り込んでいく。99年清水崇監督によりビデオ「呪怨」が口コミで人々に広がり、遂に映画化となった作品。
9月9日(火)午後11時59分
Uptown 1 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月12日(土)午後7時15分
Cumberland 1 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)

「Bright Future/アカルイミライ」
2002年/1時間32分(2003年1月18日日本公開)
監督・脚本・編集:黒沢清
出演:オダギリジョー、浅野忠信、藤竜也、りょう
主題歌:THE BACK HORN
解説:カンヌを沸かせた回路から2年。世界が待望する黒沢清監督『アカルイミライ』がトロントに出品。トロントは黒沢監督贔屓でも有名なので、この作品が出品というのは当然だろう。雄二と守はおしぼり工場の同僚。行き場のない苛立ちを抱える雄二に、まぁ待て、とストップをかける穏やかな守。雄二にとって守は唯一心を許せる相手だった。ある夜、雄二は突然暴力的な衝動に駆られ、おしぼり工場の社長宅へ鉄パイプを持って押し入る。だがそこは既に血の海で、その中には倒れている夫婦の死体があった。そしてその夜から守の行方がわからなくなっていた…。20代の青年と中年男の世代間の断絶を通して、現代に生きる若者像を描き出している。日本上映版は1時間55分だが、海外バージョンがあり、たぶんこのトロント用も今年のカンヌで上映された1時間32分バージョンだと思われる。シーンの順番を大胆に入れ替えたディレクターズカット。
9月6日(土)午後9時半
Uptown 2 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月8日(月)午前9時
Royal Ontario Museum (100 Queen's Park/地下鉄Museum駅)

「Nine Souls/ナイン・ソウルズ」
2003年/2時間(2003年7月19日日本公開)
監督・脚本:豊田利晃
出演:原田芳雄、松田龍平、千原浩史ほか
解説:「青い春」('02)の豊田利晃監督最新作。世間から隔絶されたある刑務所。偶然見つけた穴から脱走に成功した9人の男たち。目的がある者、勢いで脱獄した者。さまざまな想いを抱えながらも、彼らは1台のバンに同乗し、富士山麓の小学校に隠された大金を目指す。しかし、苦労の末、ようやく辿り着いた先で見つけたのは大金ではなく、小さなガラスの鍵だった。ガセネタだとわかり途方に暮れる9人。だが、旅を続けるうち、彼らの心には生まれて初めての充実感と新たな決意が生まれていた。そして9人の旅の目的は、それぞれが囚われる前にやり残したことへの決着へと変わっていく。果たして彼らの決着とは…。
9月12日(金)午後9時半
Uptown 2 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月13日(土)午後3時15分
Varsity 1 または6 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

●「Last Life in the Universe」
2003年日本公開予定
監督:ペンエーグ・ラッタナルアーン
脚本:ペンエーグ・ラッタナルアーン、プラーブダー・ユン
撮影:クリストファー・ドイル
出演:浅野忠信、Sinnita Boonyasak、Laila Boontasak、三池崇史ほか
解説:タイ・日本・シンガポール・オランダ・フランスの5ヵ国合作。「わすれな歌」のペンエーグ・ラッタナルアーン監督と撮影はクリストファー・ドイル。タイと日本・大阪を舞台にアジアン・ミックスな話題作。監督・三池崇史が本作でも俳優として参加。バンコクに住むケンジはヤクザの一人を意図せず殺してしまい、同じ日に意図せず妹死なせたノーイが一緒に見を隠す。そしてその3日間の間に反発しあいながらも愛するようになる。
9月5日(金)午後9時
Cumberland 3 (159 Cumberland St./地下鉄Bay駅)
9月7日(日)午後12時15分
Varsity 1 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

●「OSAMA/アフガン・零年」
NHKの制作支援作品/アフガン、イラン、NHK共同製作(日本での劇場公開は未定)
監督:セディク・バルマク
解説:2003年第56回カンヌ国際映画祭で、NHKが国際共同制作したこの「アフガン・零年」〜OSAMA〜が新人監督に与えられる「カメラドール特別賞」を受賞。また併せて「CICAE賞」と「カンヌ・ジュニア賞2003」も受賞した。タイバン政権下でのアフガンは音楽・テレビ・映画を楽しむことを禁止していたので、政権崩壊後20年振りの映画をNHKが製作支援した作品。バルマク監督はモスクワの大学で映画を学んだ。タリバン政権下では難民として、パキスタンなどに逃れていて、新しい政権になったのち帰国、この作品を製作・監督した。物語は、タリバン政権下に生きる少女が主人公。当時、女性は男性と一緒でなければ外出も出来なかったため、父親や男兄弟を失った少女は男の子に姿を変え、過酷な状況下で生きていこうとする姿を描いた作品。
9月8日(月)午後9時45分
Uptown 3 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月10日(水)午前9時
Varsity 8 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)

●「Zi Hudie/紫胡蝶」
中国、フランス合作
2003年/2時間7分
監督:ロウ・イェ
出演:チャン・ツィイ、中村トオルほか 解説:1930〜40年代の上海での抗日活動をモチーフにした作品。二人の男性に愛される秘密結社の党員がチェン・ツィイでその二人の内一人の日本軍将校役が中村トオル。
9月12日(金)午後9時
Uptown 1 (764 Yonge/地下鉄Yonge&Bloor駅)
9月13日(土)午後6時
Isabel Bader Theatre (93 Charles St. W./地下鉄Museum)

「Aji/味」
2003年/1時間14分
解説:NHKで放送されたドキュメンタリー作品。佐藤さん夫婦(旦那様72歳、奥様78歳)は奥さんが山東省で育った経験から山東料理を日本風にアレンジし作り続けているのだが、今回中国から失われた伝統を再輸入するために招かれた。
9月11日(木)午後7時15分
Varsity 2または3 (55 Bloor St. W./Yonge & Bay)
9月13日(土)午後12時
Royal Ontario Museum (100 Queen's Park/地下鉄Museum駅)


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