TCニュース


Vol.236 2006年 トロント国際映画祭、日本映画リスト  (08/22/06)

毎年盛大になっていくToronto International Film Festival(トロント国際映画祭)も今年で31回目で9月7日から16日まで開催される。この映画祭の注目度は年々上がって来て、今はカンヌについで偉大なフェスティバルとされている。カンヌより名声があると伝えているメディアもあるぐらい。(日本人はあまり知らないのですよね。とほほっ。当サイトの映画祭を2倍楽しめる話も参照してね)今回は作品がさらに増えて352作品、61ヵ国から参加。

今年の日本作品ですが、去年よりは多いかな。そしてさらに内容が濃いものが来ているように思う。私個人は宮崎ジュニアの「ゲド戦記」を期待していたが、大友さんの「蟲師(むしし)」も興味深いのでよしとしたいかも。(^^) でもやっぱりアニメがないのは寂しい...。

また、世界でも韓国映画の注目度がうなぎ上りだが、今回は韓国で1300万人(4人に1人以上)が観たという韓国映画歴代動員数No.1、イ・ジュンイク監督の「King and the Clown/王の男」がエントリーだす。日本公開は2007年なので、お先にこちらで観れる。そして、今年のカンヌでも絶賛されたポン・ジュノ監督の「The Host/グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」という怪獣映画もエントリー。朝日新聞の記事を抜粋すると、韓国で実際に起きた連続殺人を基にした代表作「殺人の追憶」とは色合いを異にする怪獣映画。だが、軽いエンターテインメントではさらさらなく、社会批判のまなざしを込めたものだそうで、監督自身も幼稚な怪獣映画と誤解されるのではとまどいながら作成したとか。他にはホン・サンス監督の映画「浜辺の女」(コ・ヒョンジョン&キム・スンウ主演のロマンス映画で15R指定を受けたので韓国では話題)、今年のベルリン映画祭で国際批評家連盟賞を受賞したSo Yong Kim監督の「In Between Days」、キム・ギドク監督の「時間」など。

中国映画ではチャン・ツィイー主演でヌードの代役女優がクレジットを出すとか出さないとかでもめたフォン・シャオガン監督の超大作「夜宴/The Banquet」もエントリー。この映画は中国でも9月公開で日本公開は未定。

TCニュース「Vol.235 2006年トロント国際映画際情報」でもお伝えしているが、カンヌでパルムドールを受賞したケン・ローチ監督の「The Wind That Shakes The Barley(大麦の揺らす風)」や役所広司とブラピが出演して日本でも話題となっている映画「Babel」などがエントリー。

チケット購入方法は、10クーポンなどのクーポンチケットを購入し、先行予約出来る方法か、SameDayチケットといって、その当日チケットがあったら購入出来る。このチャンスも逃したという人は当日にラッシュチケットと言って、ラッシュチケットは劇場でならんで待つと席が空いている限り入れてくれる。人気の映画はもう並んでも入れないことがあるが、その他なら結構みんな当日ならんでも見れているよう。さらに詳しいチケットやBox Officeの情報は当サイトの映画祭を2倍楽しめる話を参照。

日時、場所の詳しい完全リストは29日に当TCニュース上で発表予定。

ちなみにハリウッドから毎年来るスターは豪華だが、今年もすごい。俳優も含め、監督など制作関係者のゲストは500人以上に上る。来る予定のゲストやスターリストは公式サイトのこちらを参照してほしい。有名どころではSir Anthony Hopkins、Brad Pitt(ブラピ登場!写真撮りにレッドカーペットに行かなければ。^^;)、Dustin Hoffman、是枝監督、Jennifer Lopez、Jude Law、Kate Winslet、Reese Witherspoon、菊池凛子、Sandra Bullock、Sean Penn、Sharon Stone、Sydney Pollack、Spike Lee、Tom Hanks、Yoko Ono、チャン・ツィイ。

Box Office:Manulife Centre(55 Bloor Street West/地下鉄Yonge & Bloor)とFestival Box Office「College Park」(444 Yonge Street/地下鉄College駅)


【日本関連映画のご紹介】

「Hula Girls/フラガールズ」
2006年/2時間(2006年夏日本公開済み)
監督:李 相日
出演:松雪泰子 豊川悦司 蒼井優 山崎静代(南海キャンディーズ) ほか
解説:公式サイトから抜粋すると―昭和40年、本州最大の炭鉱・常磐炭鉱では大幅な人員削減が迫り、かつての基幹産業としての隆盛は見る影もなくなっていた。そんなまちを救うため、この北国に“楽園ハワイ”を作り上げるという起死回生の一大プロジェクトが持ち上がる。目玉はフラダンスショー。盆踊りしか知らない炭鉱娘にフラダンスを教えるため、東京からダンス教師が呼び寄せられた。元花形ダンサーで気位の高いその女性は、最初は炭鉱や素人の炭鉱娘たちを馬鹿にするが、やがて少女たちのひたむきな熱意に、忘れかけていた情熱を再燃させる。ひとりひとり厳しい現実を抱えながらも、炭鉱娘たちは友情を支えに強く美しくフラダンスの真髄を体の中に染み込ませていく。そして――。常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡の実話、感動の映画化!―ということですが、これは南海キャンディーズのしずちゃんも参加ということで話題になっていましたよね。まさか、トロント国際映画祭にエントリーとは思ってなかったです☆

「Yokohama Mary /ヨコハマメリー」
2005年/1時間35分(日本公開済み)
監督:中村高寛
解説:「ハマのメリー」の愛称戦後50年間娼婦として生き続けた女性がこつ然と姿を消した。彼女はどこへ行ったのか。街頭インタビューしながら彼女の生き方、歴史を追うドキュメンタリー映画。

「HANA/花よりもなほ」
2006年6月日本公開済み/2時間07分
監督:是枝裕和
出演:岡田准一, 宮沢りえ, 古田新太, 香川照之, 田畑智子, 浅野忠信ほか
解説:『誰も知らない』の是枝裕和監督が初めて手掛ける時代劇。元禄15年の江戸で、青木宗左衛門(宗左)は父の仇を追って、信州から上京した若侍。しかし、剣の腕は立たず、寺子屋で算術を教えていた。そんなある日、仇を見つけた。しかし、長屋の人々のとの心地よい暮らしになじんでしまった彼は、仇が妻子と幸せな生活を送っているのを見て“仇討ちとは何だろう”と考え始める。そして、彼が出した結論は長屋の人々を巻き込む騒動に発展していく。出演者もさることながら評判もいいよう。岡田くん!!に、りえちゃん!絶対に観たい☆

●「Paris, Je T'aime/パリ、愛してる」
2006年(日本未公開)/2時間
解説:世界各国の監督達が参加したパリ20区についての愛の5分間オムニバス映画。日本からは諏訪敦彦監督が参加。コーエン兄弟も参加しているのでも話題。出演はナタリー・ポートマン他。続編として、07年にはNYを舞台に「NYジュテーム」が、08年には東京を舞台に「東京ジュテーム」が計画中。

「Big Bang Love, Juvenile A/46億年の恋」
2006年8月日本公開済み/1時間24分
監督:三池崇史
出演:松田龍平 安藤政信 石橋潦 石橋蓮司ほか
解説:国内外から注目を浴びる最も多忙な日本映画監督、三池崇史が描く、いまだかつてないほど最高に美しく官能的…そして哀しい少年達のラブストーリー。

●「The Bug Master/蟲師(むしし)」
2007年春日本公開予定/2時間11分
監督:大友克洋
原作コミック:漆原友紀
出演:オダギリジョー、江角マキコほか
解説:コミックを原作とし、アニメを手がけてきた大友氏の初の実写映画としても話題。人にはは見えない命の根元である“蟲”を感じることによって事件を解決していく、明治時代後期を舞台とした壮大なSFファンタジー大作。日本より先に見れるので要チェック!

「Babel/バベル」
2007年日本公開予定/2時間22分
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、役所広司、菊池凛子ほか
解説:カンヌで監督賞を受賞したブラット・ピット主演の話題作。

「Ema/Emaki II/絵馬・絵巻2」
監督:石田尚志
解説:5〜8分の実験映像。

「Tsuioku/追憶」
監督:松山由維子
解説:3.5分の実験映像。


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