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カナダには国際映画祭が8以上もあるのだが、その中でも代表的なものが ・モントリオール世界映画祭(2006年は8月24日から9月4日まで) モントリオール世界映画祭は日本でも聞いたことのある人は多いと思う。名前からして、フレンチの雰囲気がただようヨーロッパ系の格式ある映画祭っぽい雰囲気がある。また日本人にはオリンピックのあった街としてもモントリオールの名前はカナダと知らなくても知っている人は多いからだ。現に、モントリオールの方が、芸術性の濃い作品が多く、豪華な感じがすることは確かである。どの映画祭も国際的映画祭なので、世界中からたくさんの作品が出品される。もちろん日本からもだ。 トロント国祭映画祭は日本の一般の人々の間ではまだまだ馴染みの薄い映画祭のようで、トロントの映画祭がいかに世界で注目を浴びているのかをぜひぜひこのトロントニアンクラブ上でご紹介出来ればと思う。このページを読み終わった後、あなたは絶対にトロント国祭映画祭に行きたくなること間違いなし。そして、国際映画祭を語る時、トロントも忘れてはならないことを知り、この映画祭の真価を認めずにはいられないだろう。ここではトロント国際映画祭を2倍楽しめる話をさせていただこう。 まず最初にトロント国際映画祭はカンヌの次に名声のある映画祭として世界では位置付けられている映画界でもっとも偉大な映画祭の一つとなっているということを知ってほしい。1)カンヌ、2)トロント、3)ベルリン、4)ベネチアということ。これは海外の映画業界誌や映画評論家が書いていることなので事実なのだ。 トロント国際映画祭の一番の特徴を言うと「なんでも来い!」ってことだ。インディペンデンス系映画を含む毎年50ヵ国以上300作品近くの映画を上映し、毎年新人監督作品も多く紹介するのだ。トロントはユネスコが認めている世界一のマルチカルチャー都市で、多民族都市ということを活かして、門戸を広く差別する事なく世界中から映画を受け入れる体制が出来ている。また、トロントニアン自体、映画が大好きで、移民が多いので、他言語にも慣れている。英語字幕で見ることに違和感はそれほど感じていない。トロントの人達もこの映画祭を一丸(古い?)となって歓迎しているのだ。要はヨーロッパの政治色が濃い映画祭(カンヌはそう言われているよう)やエリート映画(大手製作会社が作った高額な映画)に辟易している映画人がカンヌやベネチア映画祭に参加してなくてもトロント国際映画祭にはと乗り換えているという事実だ。 そうした背景の中には、もっと自由に映画を楽しみたいと願う観客、マンネリ化したエリート映画への人気離れがあるようだ。今の映画界全体、特にハリウッドなどはアイデアが尽きて、マンネリ傾向にあるということが、ここ近年、アイデア探しの為、日本や中国、韓国などアジア映画などに目を向け、ハリウッドでのリメーク版を次々と制作しはじめたことでも理解できる。日本映画のリメーク版で言うと最近では映画「リング」、「Shall We Dance?」などがそうだ。 そして、トロント国際映画祭はコンペ形式ではないということ。競う映画祭ではなく、ただ作品を上映紹介している映画祭ということも特徴で、純粋に映画が好きな人が楽しめるということでも貴重な映画祭なのだ。コンペ形式でない映画祭って何が魅力なの?って思う方もいると思うが、そこが一番この映画祭を語るに重要なポイントとなるのだ。(*ピープルズチョイス賞など他にも賞は存在はするが、それはこの映画祭自体が設けている賞ではなく、スポンサーが賞を設けているもの。特にこの観客が選ぶピープルズチョイス賞を受賞した作品は必ずアカデミーでノミネートされると言われていて、業界関係者の間では注目されている賞の一つ。2004年はスポンサーのファイナンシャル会社がこの賞を設けていた) トロント国際映画祭がコンペ形式ではないということは、門戸を広く、世界から多くの映画をエリート映画からインディペンデント系映画、新人監督作品などの型破りな映画などを上映することが出来るということであり、バイヤーも集まるのだ。バイヤーすなわち、映画の買い付けをする人達。数年前に日本のドラマで映画買い付け業界を舞台にした「東京ラブ・シネマ」で、一躍映画買い付け業が脚光を浴びるようになったが、インディペンデント系映画が今人気であることが手伝って、世界中からトロント国際映画祭に映画を買い付ける為にそのバイヤーが来るのだ。現にベネチア映画祭と重なるトロント国際映画祭だが、ベネチア映画祭は以前はマーケットが存在しなかったので(2002年にできた)、早めに切り上げてトロントに来る関係者が多かったという事実。ここ近年、そういったことからトロント国際映画祭は北米随一のバイヤーが集まる映画祭として有名であり、確固たる地位を築いているのだ。これがトロント国際映画祭が世界で有名になっている理由なのだ。日本人には馴染みの薄いトロント国際映画祭でもバイヤーの間ではトロント国際映画祭は有名中の有名。日本のバイヤーも外国の掘出し作品を日本でブレークさせる為にトロントに買い付けに来るのが普通になっているのをご存知か。 この映画祭のもう一つの特徴は監督が直に上映シアターに来て、上映が終わった後に出て来て、観客からの質問に答えたりするアットホームな所も好感が持てるのだ。コンペではないので、監督なども気負らず自分の作品を紹介する温かいコメントが聞けるし、間近で有名監督を見る事ができるのもこの映画祭の楽しみの一つ。映画が純粋に好き、映画を楽しみたい、その映画を自分の国でブレークさせたいなど、とにかくピュアに映画が好きな人の為の映画祭、それがトロント国際映画祭なのだ。 さらに注目されていることを挙げるとすると、バイヤーや映画評論家の間ではこの映画祭での観客の反応も重要な目安となっているのだ。カンヌ映画祭などでは面白くない映画でも「ブーイングをする為に最後まで見ている」という人が多く、どれだけの人が本当に興味を持ったかなどの統計が取りにくいのだが、トロント国際映画祭は面白くないと思った観客はそんないじわるなことはせず、途中で静かに退室していくということで、その映画の面白さや、出来ばえなどを正しく観客の反応によって理解できるということが評論家達にとってはかなり貴重なこととなっているのだ。 この期間、朝から晩まで映画を楽しむ人が一杯。バイヤーはもちろんのこと、専用のMY日程表を作って1日3本や4本とか観ているファンもいるほどだ。 日本からも毎年まだ日本では公開前の作品も多く出品されるのも楽しみの一つであり、掘り出し物を探すにはトロント国際映画祭はかかせない。ご自分も映画買い付けのバイヤーになった気分でこの映画祭をぜひぜひ楽しんでほしいと思う。 カナダはハリウッドノースと言われていて、映画撮影のメッカでトロントは特にハリウッド映画の撮影が多いことでも有名だ。
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